青森県・外ヶ浜町平舘にある平舘不老ふ死温泉。地区唯一の温泉旅館を2023年6月に常連客だった女性が後を継ぎました。経営も軌道に乗ってきましたが、わずか3か月で新たな問題が生まれ、廃業の危機に瀕しています。

平舘不老ふ死温泉 熊野恵女将
「ありがとうございました。気を付けて」

宿泊客を笑顔で見送る熊野恵さん(46)。青森県外ヶ浜町平舘の山あいにある平舘不老ふ死温泉の女将です。地区で唯一の温泉旅館として40年以上愛されています。源泉は津軽半島で最も古く300年以上前からあったといわれる名湯で知られ熊野さんもその温泉に魅せられた一人でした。

平舘不老ふ死温泉 熊野恵女将
「お湯が良くてずっと通ってて、(先代の)女将さんたちと仲良くなった。毎日は入れるよと言われてそこでちょっとやられてしまいました」
常連客となっていた熊野さんは廃業を考えていた先代の女将からある提案を持ちかけられます。
平舘不老ふ死温泉 熊野恵女将
「辞めてほしくないなって話をしていたら女将さんの方からやらないかと声をかけて頂きました」
Q.戸惑は?
「戸惑いました。実際に住んだことないところで上手くやっていけるのかなとか」
青森県八戸市で保育士として働いていた熊野さんにとって旅館経営は初めての挑戦でした。経験も地縁もなく、心配はありましたが当時の経営状況や周囲の支え、そして何より「温泉を絶やしたくない」思いが熊野さんを突き動かします。
