※玉川隆さん「地元の南部町に行けば今でも煎餅屋はあるので焼きたてを食べられる。でもそれを八戸に持ってくる間に冷めてしまう。八戸では温かい煎餅を食べることが難しい」

夫婦ともに、子供の頃から実家の近くにあるせんべい専門店に通っていて、「焼きたて」は譲れないこだわり。これを実現するために、隆さんは本業である建設コンサルタントで培ったノウハウをいかし、キッチンカーの設計までしました。せんべいを焼くのに欠かせない窯も苦労の末、手に入れました。

※隆さん「(窯は)もう新しく売っていない、作っていない。であれば閉めた煎餅屋から譲ってもらうしかない。なかなか見つからず。ふと小学生の時に『あそこで煎餅食べたな』と思い出があって行ってみたら、小屋はボロボロだったけど、その中に窯がまだあった。やった!これで進めると。」

夢を実現するために、隆さんは専門店へ焼き方を習いにいったといいます。

※聡子さん「黙ってみているしかないかなと思っていました。思ったらとても突き詰めるタイプなので」

こうして作り始めた焼きたてのせんべい、その魅力を実感してもらうために賞味期限は、なんと、30秒にしました。また、創作メニューの開発にも取り組んでいて、せんべいでチーズやベーコンをはさみ、お酒とあわせて楽しめるようにしました。

※お酒と一緒に楽しんでいた人は「ん~、やばいです。最高です。ありがとうございます」

こだわりがつまったせんべいは多くの人の心をつかみ、3月から出店している館鼻岸壁朝市では長い行列ができるほどの人気店となりました。

※隆さん「南部せんべい自体皆さん知っている、食べてきている、でも南部せんべいというブランド自体縮小傾向にある。でもこういう売り方、こういう提供の仕方をすれば、すごいおいしいって改めて気づいてもらえる」

玉川さん夫妻が焼き上げる南部せんべい。そこには素朴ながら奥深い郷土の味、その醍醐味がつまっています。

私も八戸市の実家の近くのせんべい店へ子供の頃よく行きましたが、焼き立ては食べたことないです。今度、朝市へ行って食べてみたいです!

こどもたちも嬉しそう

青森県内にある南部せんべいの店、いまは最盛期の1950年頃の10分の1以下まで減り50軒あまりとなっています。そのなか、こうして南部せんべいの魅力をあらためて伝える店が誕生したのは素晴らしいことですね。