東日本大震災から14年―。
この震災を経験していない子どもたちも増えています。青森市の中学高等学校で開かれた追悼行事では、「よく知らない」との声も聞かれました。その世代にも記憶をつなごうと毎年、学校が行事を続けています。

11日に青森明の星中学・高等学校で行われた追悼集会。
生徒たちは「被災された方々の笑顔が戻りますように―」などと、祈りの言葉をしたためた折り鶴を、祭壇に奉納して追悼の意を示しました。

追悼集会は、東日本大震災が発生した翌年の2012年から毎年実施していますが、震災から14年を経て参加する子どもたちにも変化があります。

女子生徒は
Q.震災当時はいくつですか?

「2歳。(当時のことは)覚えていないです」

男子生徒は
Q.震災当時はいくつですか?

「そのころ2歳だと思います。(当時のことは)覚えていないです。すごく揺れたというのは聞いている」

小学校に入学する前の生徒が多く、2025年に初めて行事に参加した中学1年生についてはまだ産まれていません。

それでも、生徒会長の栃木 漣さんは、若い世代が震災を伝えていく使命を感じています。

青森明の星高校 栃木 漣 生徒会長
「以前被災者の方が『生き残ってしまった』と話している映像を見ました。残された方々は、私たちの想像できない複雑な想いをもって、これまでの時を過ごされてきたんだと感じました」

青森明の星高校 栃木 漣 生徒会長
「追悼集会に参加した自覚をもって、これから被災していない小さな子どもたちも増えると思うので、大きな地震に備えていくことを(参加した生徒たちが)伝えてくれたらいいなと思います」

時間の経過とともに風化していく記憶。
震災を知らない子どもたちは、3月11日に行われる追悼行事を通して、辛い現実と向き合い、記憶を紡いでいきます。