物価高を超える賃上げ実感 いつ?

小川キャスター:
物価上昇に賃金が追いつかない状況がずっと続いているわけですが、これを好転させる兆しは見えてきているのでしょうか?

片山記者:
この2年くらい実質賃金はずっと下がった状態ですが、多少プラスに転じるのが2024年10月ぐらいではないかという専門家がいます。

大和証券の末廣徹チーフエコノミストによると、10月くらいには物価がかなり下がってくるので、今度の春闘で上がった分の賃金が追いついてくるタイミングが10月くらいではないかということです。

ただ、この2年間ずっと下がってきているので、それがちょっとプラスになるくらいですぐ良くなるかというと、そうでもないのではないかと思います。仮に1%ずつ実質賃金が上がっていったとしても4~5年かかってしまう。そこでようやく元に戻るくらいのタイミングだということで、結構時間がかかるんじゃないかという言い方でした。

秋葉社長:
僕が長年やってきた中で物価が下がることはあまりないですよね。一回上がったものが下がることはそうそうない。生鮮食品は天候に左右されますが、食パンなどの一般食品が値上がりした後に値下がりしたことはないです。ですから、物価が下がるというのはなかなか考えられないですね。

小川キャスター:
厳しい状況が続くという見方もある中で、物価と賃上げがうまく循環していくためには何が必要だと思いますか?

秋葉社長:
政府は結構お金を配ることがありますよね。しかし、その場しのぎの政策ではなくて、ある程度、安心できるものが必要です。中長期的な支援を中小企業に対してやっていただくことが重要なこと。もう1つ、円安の影響で肥料や飼料が高騰して生産者が家業を継がずに辞めている現実があります。

食料品が値上がりしても、調味料が値上がりしても、食材がある程度安く買えれば生活しやすいんですよ。ですから、無理に何でも値上げするのではなく、値上げしないで済むものは政府の政策でやっていただければいいなと思いますよね。

伊沢拓司さん:
アキダイで働いている方々が「労働時間が短くなって賃金が変わらないのはいい感じがする」という話をしていましたが、それこそAIなどの技術革新でより労働生産性が上がることが1つ解決の糸口になってくれるといいなと思います。