能登半島地震で甚大な被害を受けた石川県輪島市。中学生の集団避難の解除をめぐり、市の教育委員会と学校の対応に一部の保護者から反発の声があがっています。

輪島市では先月17日、学校再開のめどが立たないことから市内3つの中学校の生徒401人のうち250人が親元を離れ白山市の施設に集団避難しました。

生徒らが集団避難した石川・白山市の施設

当初、期間は2か月程度を想定していましたが、門前中学校と東陽中学校については先月末にそれぞれ近くの小学校で授業を再開できることになり、教育委員会では今月1日、保護者に対し避難先の施設を4日に退所するよう通知するメールを出したということです。

輪島市教委が保護者に送ったメールの文書

通知を受けて2つの中学校の生徒19人が退所しましたが、一部の保護者からは「白山市に留まる選択肢を明示されず、強制的に戻された」と戸惑いや怒りの声があがったということです。

教育委員会によりますと、退所を通知する前の先月30日、校長から保護者1人ひとりに対し電話で意向を確認したということですが、その際に残留も1つの選択肢だと明確に伝えなかったということです。

小川正教育長

輪島市・小川 正教育長(6日の記者会見)
「結果として一方的に生徒の集団避難解除を伝えてしまった。混乱を招いたことを改めておわび申し上げる」
「退所も選択肢の一つ、残留してこのまま続けるのも一つ、あるいはそれ以外の方法もあったということを明確に校長より伝えろという指示を僕自身がなさなかった。ここが決定的な今回のミスの始まりだと考えている」

陳謝する小川教育長


輪島市では改めて保護者と面談を行い、希望があれば白山市に再び移って授業を受けてもらうことにしています。