病院は記者会見で過重労働を否定 院長は「自己研鑽」の言葉を繰り返した
晨伍さんの死から1年以上がたった去年8月、病院は遺族に説明をしないまま記者会見を開いた。病院のトップ・具英成院長は労基署が認定した過重な労働を真っ向から否定した。
(具英成院長)「労基署の場合は(タイムカードの)打刻の時間を中心に時間を推定しているんだと思いますけど、病院として過重な労働を負荷していたという認識はございません」
晨伍さんが長時間病院にいたことは認めたが、2022年4月に実際に残業していたのは30時間30分だと主張した。労基署が認めた200時間とはかけ離れたものだ。
では、この差は何だと言うのか。会見の中で繰り返されたのは「自己研鑽(じこけんさん)」という言葉だった。
自己研鑽とは、自分の能力を磨くために自ら学習をしたり経験を積んだりすることだ。つまり、晨伍さんは学会準備や医学の学習のため、自らの意思で長時間病院に残っていたのだという。また、他の医師の勤務状況についても言及した。
(具英成院長)「当院では比較的、時間内に仕事を済ませて帰る方が多いんじゃないかと。(自殺は)この病院だから出たという問題かどうかわからないんじゃないでしょうか。私もわかりません」