100連勤・月200時間超の時間外労働 労基署は労災認定

 晨伍さんを自殺に追い込んだのは病院での働き方だったのではないか。遺族の求めに応じて病院は弁護士らによる第三者委員会を立ち上げ、晨伍さんの勤務実態などを調べた。ところが、その結果について「プライバシーの保護」を理由に遺族に説明しなかったという。こうした対応に、自身も医師で病院との窓口になっていた晨伍さんの兄は不信感を抱いている。

 (晨伍さんの兄)「(院長は)通夜以降一度も会ってくれたことはないですし、説明をしてくださったこともなくて、私たち遺族は何も知らされないまま」

 病院から何の説明もない中、遺族は晨伍さんの死について真実が知りたいと労災を申請。西宮労働基準監督署は去年6月、「極度の長時間労働により精神障害を発症し自殺した」として労災認定した。
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 労基署が調べた晨伍さんの「労働時間集計表」を見ると、自殺する前の1か月の時間外労働は207時間50分。過労死ラインとされる100時間を大きく上回る。休みなく100日連続で勤務していたこともわかった。