高島晨伍さんは2022年5月、26歳という若さで自ら命を絶った。医師の家系に生まれ、父の背中を追って神戸大学医学部に進学。
2020年から、地域の総合病院である甲南医療センターで研修医として働き始めた。2022年4月からは、同じ病院の消化器内科で専門的な研修を受ける「専攻医」として勤務していた。
「(この白衣は)卒業記念として作ったと思うんですが、これを本人がすごく気に入っていて」
こう話す、母親の高島淳子さん。4月から1人で患者を担当しはじめた息子の異変を感じ取っていた。
(母・淳子さん)「ゴールデンウィークの後ぐらいから、ちょっと不満とか…。拘束時間が長い、そういうことを言っていました」
晨伍さんが漏らす不満は徐々に強まっていった。亡くなる前に淳子さんに送られてきたというメールが残っている。
【メールより】「せなあかんことおおすぎてしにそう ざつようばかり」「もうたおれる」「ほんまに一回休養せな全て壊れるかもしらん」
淳子さんは亡くなる前の週から晨伍さんの家に毎晩通い、休職を提案した。
(母・淳子さん)「『もう休職しよう。もうお父さんお母さんが(病院に)言ってあげる』って言ったんですけど、『専攻医一年目なんかで逃げられない』って言いました」