「雨だれ石を穿つ」

このところロシア領の石油関連施設などを狙った攻撃が増えている。このことがウクライナにとって今後大事になるという。

ウクライナ国家安全保障国防会議 オレクシー・ダニロフ書記
「(ロシア国内で)鉄道や石油貯蔵施設、ガス貯蔵施設などロシア軍と直接つながっている施設で多くの火災が発生しています。石油貯蔵施設では軍の為の燃料が保管されているのであればこれは破壊されるべき施設です。このような事件は今後増える一方で、数はどんどん増えます。侵略者から領土を解放するまで…。奴らが我が領土から撤退するまで、私たちは止まることができないのです。(たとえ小さな攻撃でも続ければ大きなものにも穴をあける)“雨だれ石を穿つ”のです。1回10回20回…、その回数がなるべく増えるよう最善を尽くす。ロシア国民に戦争を実感させるため。戦争はウクライナ国内だけでなくロシア国内でも行われるべきなのです」
そう言ってダニロフ書記は、去年のモスクワへの度重なる攻撃のほか、国境に近いスモレンスクの航空工場、ヴォロネジ州の石油貯蔵所、ベルゴドロの軍事施設、クルスクの石油施設、更にはサンクトペテルブルクのガス施設への攻撃がウクライナによる“雨だれ”の一環であることを明かした。
このロシア国内への“雨だれ石を穿つ”作戦の効果についてウクライナ国営通信の日本語版編集者、平野氏は言う。

『ウクルインフォルム』編集者 平野高志氏
「今すぐの結果というよりはロシアの継戦能力を削ぐということですよね。中長期的なロシアの継戦能力を削いでいくことに重点を置いた戦略だと私は思います。弾薬不足の観点から、最近ウクライナでは自国で弾薬を生産したり他の国と共同生産したりしているんですが、全体としてより中長期的にこの戦争を戦える状態を作っていく発想をしている。ロシア国内への攻撃もその一環なんだろうと…」