「自由になったチベットに帰りたい。それが私の夢です」
チベット族のテンジン・パサンさん、26歳。
インドで生まれ育った彼女はまだ、チベットを見たことがありません。チベットを強く意識したのは、大学生の時でした。

テンジンさん
「友達が『ねえ、休暇はチベットに帰るの?』と聞いたのです。その言葉に衝撃を受けました。私は、チベットを見ることができない。どうやって行けばいいのでしょう?私は(インドで暮らす)第3世代です。直接会ったことがある親戚もいません。もし、帰っていいといわれても、どこに私の家があるかもわからない」
帰りたいけれど、帰れない…
ダラムサラで暮らすチベットの人たちは、そんな複雑な気持ちを抱いています。
チベット人女性(1992年にチベットからインドへ亡命)
「いつかダライ・ラマはチベットに帰るし、私も一緒に帰りたい。しかし、今、チベットの状況はとても悪いです。チベットの外は幸せだけど、チベットの中は不幸です」
人々は、ふるさとを思いながら、歌います。
自分のルーツを忘れないように。

まだ一度も訪れたことのない、ふるさとを夢見るテンジンさん。
いつの日か、チベットに行くことを願っています。
テンジンさん
「毎日、チベットを夢見ています。生きている間に、自由になったチベットに帰りたい。それが私の夢です」

いつか、彼らがチベットを見る日は、来るのでしょうか?