チベット教育を受けさせたい親 それを阻む中国政府
2023年8月、アメリカのブリンケン国務長官は、中国政府が、100万人を超えるチベット族の子どもを、強制的に寄宿学校に送り、漢族との同化政策を強いていると非難しました。

これについて、中国政府は、「強制ではない」と反論しています。
中国国内の厳しい状況から、子どもを、ひそかにダラムサラへ送る親もいます。
女子高校生(10歳でチベットからインドへ亡命した16歳)
「チベットの状況が悪化しているので、両親が私たち姉妹を『真のチベット人になってほしい』と望んで、ここに送ったのです。学校生活は、大きな家族みたいで幸せですが、チベットにいる両親が恋しいです」

女子高校生(11歳でチベットからインドへ亡命した18歳)
「両親が私をここに送ったのを知ったとき、とても悲しかったし、腹が立ちました。でも、チベットの言葉を学び始めて、両親が望んだことが分かったんです。私に本当のアイデンティティーを見つけて欲しいのだと」

せめて子どもには、チベット族としての教育を受けさせたい…
親たちの切実な思いに背中を押され、かつては毎年700人から1500人の子どもが、ダラムサラに送り出されていましたが、中国政府が国境警備を厳しくしたことで、2015年以降、その数は激減。
今年はたった4人しか入学しませんでした。
チベット子ども学校 ソルディン・ドルジ校長
「子どもたちはチベットの未来です。中国政府が、子どもたちを中国の学校に入れ、中国人のようにふるまうように仕向ければ、チベットのアイデンティティーは危機に陥るでしょう」
