安倍元総理のメッセージについて元信者の兄は─。

元信者の兄:
「ビデオメッセージまで送ってる。インパクト強いでしょ。元総理がこういうことをしてる。これを家族に見せたらどうなりますか。それを見た親はどうなりますか。『ああ総理大臣が推薦しているんだ』と。これはもう国から承認された団体なんだと思うでしょ」

また、別の元信者の女性は政治家の存在が信者の心理に影響を与えていたと話します。

元信者の女性:
「信者に影響を与えるようなことをなぜするのかなという。信者の人たちはみんなモニター越しに(政治家を)見ますよね。やっぱりそれで安心ていうか『自分のやってることが間違いじゃない』っていうことを確信すると言いますかね。『日本はこういうふうに動いてるんだ』っていうのを、(確信)すると、さらに献金しなくちゃって思いになると思いますね」

一方、11日の会見で、旧統一教会、現在の世界平和統一家庭連合は、UPFはあくまで別の組織だと説明しました。

世界平和統一家庭連合 田中富広 会長:
「安倍元総理は文鮮明総裁が主導され、多くの世界の指導者とともに推薦されている世界平和運動に賛意を表明してくださっていた。ただ、宗教法人世界平和統一家庭連合の会員として安倍元総理が登録されたこともありませんし、また顧問にもなったことはございません」

しかし、霊感商法の問題に取り組む弁護士はUPFに所属している信者も多く旧統一教会のフロント組織としています。

妹が信者となった富山市の男性。妹が霊感商法の販売員となり、加害者になったことが一番つらかったと言います。

元信者の兄:
「私の家は家庭崩壊しましたけど、今度は妹はほかの家族を不幸にしていく。今は被害者だけど加害者になっていく。それが一番苦しかったです。政治家といっても、誰一人統一教会に入信しないし、自分の子どもも入信させない。(政治家は)単なる広告塔なんです。賛同するような、誤解を招くような行動は慎んだほうが私はいいと思う。(このままだと)第2、第3の山上容疑者が出てくる可能性は否定できないと思う」

旧統一教会への献金などによって 次々と家庭が崩壊する悲劇。結果として、教団の活動を応援した形となった政治家にも責任はあるのでは、と男性は話します。