孤立集落に残る被災者の選択 集落に残る想い
23ジャーナリスト 須賀川拓 記者:
地震発生から時間が経ち、少しずつ孤立地域の解消が進んできています。

今回取材した地域なんですけれども、多くの人たちが農家を営んでいる場所でした。能登半島特有の急な勾配の斜面に水田を作るんですけれども、これもいわゆる日本の原風景とも言える風景なんです。
ただ、こうした地域に繋がる道というのは1本しかありません。住民の方たちの中には、「自分たちだけのためにこの道を復旧するよう、多額のお金をかけることは難しいのではないか」、そのように不安を感じる人たちもいました。なかには諦めてしまっている人もいました。
今回集落に残った小林さんたち数人なんですけれども、まず水田が地震でどのような影響を受けているのか、春に水を張ってみて、その様子を見てみたいというふうに話していました。闇雲にただ思い入れがあるから残りたいというわけではなく、とても現実的な目線で残る選択をしているわけなんです。

とても印象に残っている小林さんの言葉があります。
「自分たちは希望して残った」「電気、ガス、水道、そうしたライフラインはすべてないけれども、まだ住む家がある。むしろ、自分たちよりも被災して家を追われて避難生活をしてる人たちの方がよっぽど苦労しているのではないか」と、そのように自らも被災しながらも他の被災者に気を遣っていたんです。
私はこれまで、いろいろな紛争や災害で家を追われた人、故郷を追われた人を見てきましたが、みんな思いは同じなんだと思います。
地震発生から少しずつ時間が経ち、こうした二次避難をしない人への誹謗中傷、批判というのも少なからず見えてきてはいるのですが、実際、その立場になってみないと本当にそのつらさというのはわからないんじゃないかなというふうに強く感じました。

















