「アメリカファースト」は他国どうでもいい? トランプ氏が大統領になったら…

藤森祥平キャスター:
明海大学の小谷哲男教授によると、▼2期目になると大統領権限の強化を検討するのではないかということです。アメリカの大統領が独裁者になってしまう可能性があるのではということですよね。

例えば、▼議会や司法は大統領の指示で機能させる、▼デモに対しては警察ではなく、軍を使って鎮圧するということもあり得るかもしれない。

宮本晴代 記者:
三権分立じゃなくなってしまいますよね。怖いですね。

小川彩佳キャスター:
宮本さんは前回の大統領選も取材していましたけれども、このスキャンダルもあって裁判も抱えているというトランプ氏が再び大統領ということがあり得るのかと思ってしまう方もいらっしゃると思うんですけれども、なぜ人気が続いているんでしょう。

宮本晴代 記者:
特に地方に取材に行くと、トランプさんは本当に愛されてます。支持者が(トランプ氏を)大好きで、小谷教授が「キャラクター」ということを挙げてました。

それに加えて、二つの理由を挙げたいと思います。一つは、「アメリカ第一」です。「アメリカファースト」とよく言いますよね。裏返すと、他の国なんてどうでもいいんだ、とも言っているのと同じことなんです。

つまり、アメリカが世界の超大国でなくなってきた、だんだん没落していく、力が弱まっていくという中で、アメリカ国民もだんだん内向きになっていると、「もうウクライナの支援にそんなにお金出せないよ」「そんなに武器輸出できない」というふうになってしまっている。だからトランプ氏の掲げる「アメリカ第一」ということに、国民が拍手喝采を送るというのがあります。

もう一つは、「スキャンダルこそ追い風」です。これが強さで、トランプ氏は特に自分が大統領だった間は、例えば大手のメディアや既存の政治システムを攻撃し続けてきた。前回の大統領選で負けた後は、それに加えて陰謀論を煽って加速させてきたということになると、どんなスキャンダルが出ても、疑惑が出ても、例えば刑事事件で訴追されても、「これは私への魔女狩りなんだ」ということで、逆に追い風にしてきているということが挙げられると思います。