■「人とつながる喜び」求め 600人の集落に21世帯が移住してきた!

なりわい塾を始めて、6年間で21世帯40人以上が中和地区に移住したといいます。
なりわい塾とは別のきっかけで移住した人もいます。蕎麦職人の上田善宗さんです。

(移住3年目 上田善宗さん)
「寒暖の差がある地域なので、蕎麦作りにすごく適している場所だなと」



もともと東京に店を構えていましたが、自家栽培の蕎麦を提供したいと一念発起。3年かけようやく蕎麦栽培が軌道に乗り、今年5月に店をオープンしました。

(移住3年目 上田善宗さん)
「作っている量が限られていますので、基本的には地元の客を対象にした営業で…」



いまは「人との繋がり」にも魅力を感じている

一般的な営業スタイルではあっという間に材料が無くなるので、客の数を制限しているといいます。環境にほれ込み移住した中和でしたが、現在は人との繋がりにも魅力を感じているといいます。

(移住3年目 上田善宗さん)
「基本的には、応援してくださる距離感がすごくいいっていうのが、近すぎず遠すぎず」

移住して3年、娘とともに、穏やかに流れていく日々の心地よさを噛みしめています。

(移住3年目 上田善宗さん)
「家族との時間が増えた。今までは子どもが寝る時間に家に帰ってきてという繰り返しでしたけど、今は家で子どもが帰ってくるの待ってますからね」
■よみがえる中和地区 農村の新たな可能性



「なりわい塾」をきっかけに、住民と移住者とが絶妙な距離感で交じわり、起きた変化。「どこにでも子どもたちの声が響いていた、かつての光景を再び」と、独自のアプローチで活路を見出した農村の今です。


(中和地域づくり委員会 大美康雄さん)
「中和保育園では、半数以上が移住された方のお子さんと聞いています。今後ともこういった取り組みを充実しながらみんなで力を合わせて継続していきたいと思っています」

住民が一丸となり、少子高齢化という難問に立ち向かう中和地区。その取り組みは、着実に実を結び始めています。