「米国の敵は米国」?保守層とリベラル層の分断悪化に懸念
小笠原キャスター:
一方、トランプ氏が大統領候補、共和党から選ばれた時点で、かなり危機的な状況を迎えるという見方も出ています。アメリカの著名な政治学者らが率いる調査会社「ユーラシア・グループ」が発表した、2024年の10大リスクというものがあるのですが、中東情勢やウクライナ情勢などを抑え、トップリスクとして「米国の敵は米国」というトピックを挙げています。

詳しくみてみると「大統領選は米国の政治的分裂を悪化させ、過去150年間経験したことがないほど民主主義が脅かされ、国際社会における信頼性を損なうだろう」と指摘をしています。
ホラン千秋キャスター:
「米国の敵は米国」というのはそのとおりで、トランプ前大統領の際に、国のなかでもかなり保守層とリベラル層の分断が広まっていったところがあったと思うのですが、現地では現在、この分断というのはどのように感じていらっしゃるでしょうか?

TBS外信部 ワシントン支局 樫元照幸 支局長:
分断はもうずっと続いている、さらに深く広くなっているという印象です。
政治集会を取材すると、特にトランプさんはかなり強い言葉でバイデン大統領を非難して、罵るような感じの言葉も出てきますが、それでワーッと会場が沸くような場面がよくみられます。

今の候補者のスタンスを整理しておくと、トランプさんは保守派で、デサンティスさんも保守派。穏健派といわれる人はクリスティーさんがいなくなりましたので、もうヘイリーさんだけです。
今後ヘイリーさんがトランプさんに対抗して、もしいけないとすると、共和党内では穏健派は対抗できないということを全米に見せつけるような予備選になってしまうのではないかという懸念もあります。
そうすると、やはりバイデン大統領との再対決でも非難合戦が繰り広げられ、また分断がさらに深く広くなるという恐れもあります。