能登半島地震を受け、注意が必要な「感染症」「避難所のプライバシー問題」について、地域防災の専門家である金沢大学の青木賢人准教授が対策方法を解説します。

感染症に注意 水があればぜひ手洗いを

松村玲郎キャスター:
被災した方々は避難所、自宅あるいは車中泊、いろんな場所で生活を送っています。この先被災地で生活していく上で注意すべきことを改めて教えてください。

青木准教授:
まず避難所から。今、避難所で感染症の流行が激しい状態です。新型コロナウイルス、ノロウイルス、インフルエンザ、これらの感染症への対策が非常に重要になります。

【避難所生活の注意点・感染症】
対策1:食事前や排せつ時の手洗い
対策2:マスクの着用
対策3:袋入りの食べ物は手で触らず食べる

物資・インフラの状況にもよりますけども、食事やトイレの際の手洗い、水があればぜひしていただきたいと思います。それからマスクはコロナやインフルエンザの感染を防ぐ上で非常に大きな役割を果たします。それから、袋入りの食べ物は、接触感染を防ぐためにも、できるだけ袋に入れたまま食べていただくということでも、感染症を防ぐことができます。

また、避難所で集団生活することによってプライバシーの問題もたくさん出てきます。

【避難所生活の注意点・プライバシー問題】
対策1:仮設テントor段ボールを使った簡易パーティションの設置
対策2:女性ならではのニーズに配慮した避難所運営(育児・洗濯・生理用品等)

例えば、仮設テント・ダンボール等で仕切りができればぜひやっていただきたいですし、それができなくても、例えば女性が授乳するときに、ちゃんと防げるような場所を作る洗濯も男女分けて干す。生理用品は男の人が配っていると、もらいに行けなかったりしますので、トイレにそのまま置いといていただくだけで十分使えるようになります。そうした配慮もぜひしていただきたいと思います。

また、避難所生活が長期化してくると避難している人たちのストレスもだんだんと高まっていくことになります。

ちゃんと「みんなで避難所を運営しているよ」ということがわかるように、ホワイトボードを使った情報共有や、あるいはいろんな立場の人、女性、お年寄り、外国人の方もいらっしゃるかもしれません。いろんな方の声を拾い上げられるような体制をぜひ避難所の中で作っていただきたいと思います。