南海トラフ地震は40年以内に90%発生

――南海トラフ地震では、マグニチュード8~9クラスが発生する可能性があります。発生確率は10年以内で30%程度、30年以内だと70~80%程度、40年以内になると90%程度と、結構不安になる値になっています。今回の地震と南海トラフ地震に関連はあるのでしょうか。
西村卓也教授:今回の地震は、南海トラフから距離が離れた北の方で起こった地震ですので、直接関係はないと思います。ただ、関西地方などに住んでる人にとって、南海トラフから距離が比較的近いところにありますので、そういうところにある断層の内陸地震は増えてくると言われています。阪神淡路大震災も、そのタイプの地震の一つだったというふうに言われています。

確率に表れているように、南海トラフ地震は、必ず近いうちにやってくるといわれますから、その地震の前にさらに他の内陸地震も増えるのだと考えて、地震に対する備えを強化していただきたいなと思います。まだ準備する時間は十分ありますので、住宅耐震化とか多少お金がかかることも進めていかなければいけないです。自分の住んでるところがどういう被害があるのか、揺れやすさマップや、自治体のハザードマップなどで確認しておくことも重要です。南海トラフで小さい地震だったり断層が少しずれるような現象は今でも観測されてるんですけれども、これが起こっても、まだ巨大地震を起こすエネルギー、本体はどんどん溜まっているという状況になっています。(2024年1月8日放送 MBSテレビ「よんチャンTV」より)
◎西村卓也:京都大学防災研究所教授 地震発生のメカニズムや予知について研究