JNN取材団 蓮井啓介記者
「避難所の輪島中学校です。設置準備が進んでいた風呂のテントが昨夜から降り積もった雪の重みで崩れてしまっています」
石川県内は各地で大雪となり、8日午前10時には珠洲市で13センチ、輪島市で9センチの積雪を観測。臨時の入浴施設が雪の重みで崩れるなど避難所での支援活動に大きな影響が出ました。

こうした中、輪島中学校では避難所の子どもたちのために金沢市などの「子ども食堂」が炊き出しを行いました。
避難している児童
「めちゃおいしそう。こういう状況の時に雪が降るのはちょっと。普段の雪だったら遊べるけど、こういう状況だと…」
子ども食堂のスタッフ
「輪島で温かいものを食べさせてもらえないかと炊き出しの依頼を受けた。本当につらい思いをしていると思う。たった1食だけど少しでもあしたまた頑張ろうとか、今日も頑張ろうとか思ってもらえれば」
今回の地震では大きな津波が能登半島の沿岸部一帯を襲いました。津波は家屋を押し流しただけでなく、住民の生活を支える漁業にも壊滅的な被害をもたらしました。県は「津波被害の把握まで手が回っていない」としています。

JNN取材団 野崎まどか記者
「珠洲市の飯田港では船が流されるなどして、ほとんどの船が使えなくなってしまった」
珠洲市の漁港では発生から1週間たったいまも津波の爪痕が手つかずのまま残り漁を再開できるめどはたっていません。
ここで長年カニ漁をしてきた田喜知潔さんは、絶望のなか何とか前を向こうとしています。
漁師 田喜知潔さん
「どうにかなるのか心配。何とかなるだろうと思ってはいるが…何とかしなければいけない。落ち込んでばかりもいられない、やるしかない」

一方、8日は成人の日。金沢市大額町の会場では式典が行われ、冒頭、地震による犠牲者に黙とうが捧げられました。
代表者挨拶
「私たちも復旧に向けて、微力ではありますが協力していきたいと思います」
県内では、輪島市や珠洲市など12の自治体で7日に式典が予定されていましたが地震の影響で中止されています。
県内では8日午後2時現在、168人の死亡が確認されていて、安否がわかっていない人は323人に上っています。輪島市、珠洲市、穴水町、能登町ではあわせて24の集落で孤立状態が続いていて、その人数は3345人に上っています。また1週間経った今でも、およそ2万8000人余りが避難生活を強いられています。