■宗教とわかっても献金せざるを得ない状況に…
女性は借金を重ね、高価な「つぼ」を購入するなどして、10年間で合わせて1000万円近く献金したといいます。巧妙なマインドコントロールで献金せざるを得ない状況に追い込まれたというのです。
元信者:
「(団体を)知らない人はどうしてこんなに(怪しいと)騒がれているところに行くんだろうと思うと思うんです。でもやっぱり入り口はそういうところから入らないことが多いので、それがわかったときにはすでに『これしかない』という気持ちになっているので、あとから(宗教と)わかっても、すべてにおいて説明される。『これはこういう意味がある』と言われると納得してしまう」
一方、世界平和統一家庭連合は11日の会見で、現在はコンプライアンスを徹底していて献金のトラブルは過去のことだと話しました。
世界平和統一家庭連合 田中 富広 会長:
「過去、献金に関してトラブルあったのは周知の事実です。2009年当時の会長が記者会見し、声明文を発表している。それ以降の案件でトラブルはない」
しかし、霊感商法の問題に取り組む弁護士は…
全国霊感商法対策弁護士連絡会 代表世話人 山口 広 弁護士:
「全く白々しい発言だと思います、(信者は)従わざるを得ないんですよ、信者としてはノルマなんですよ、目標だとはいいつつノルマ、絶対に達成するべきノルマなんです、したがって死ぬ覚悟でやれと、何回もそんな資料を見ました。多い人は10億、20億の被害でもありましたし、そういうお金を裁判で取り戻したこともあります。現実にたくさん見ていますし、今も相談を受けているケースがあります」
県内に住む元信者の女性は、山上容疑者のように、家族が信者となり、多額の献金をして家庭が崩壊したケースはほかにも複数あると話します。
元信者:
「実際、みなさんお金の工面で苦労している人が多かったですね。家を売ったり、自分の親の財産まで何とかしようとしたりもありました。人を殺すのはよくないことですし、許されることではない。でも犯人のそのときの気持ちを思うと、切ない思いになります。そのときに何か違う方法で手立てはなかったのかなと思いますね」