最大震度7を観測した能登半島地震の地震活動によって、石川県の輪島市内を流れる町野川の支流の河川では、崩れ落ちた土砂で川が複数か所でせき止められている可能性が高いことがわかりました。分析を行った京都大学防災研究所の研究者は、今後の雨によって土石流が発生し、下流で被害が出る可能性があると指摘しています。

京都大学防災研究所の松四雄騎教授は、国土地理院が公開している能登半島地震発生の翌日(2日)に撮影された衛星写真をもとに、土砂が崩落した状況などを解析しました。その結果、輪島市町野町を流れる町野川の支流の河川では、地震によって崩れ落ちた土砂が川の通り道を塞ぐ「河道閉塞」が複数起き、川をせき止める「震災ダム」ができている可能性が高いということです。

松四教授によりますと、これらの「震災ダム」は大規模なものではないものの、一部は傾斜が急で、しかも大量の土砂が堆積している状態のため、今後の雨などによって壊れたり、水が溢れたりした場合には土石流が発生し、下流で被害が出る可能性があるということです。

松四教授は河川の水位が長時間減少したり、急に上昇したりしないか注意するとともに、水や土砂の急激な流出に警戒が必要だとしています。