世界陸上に3度出場している男子走幅跳の橋岡優輝(24、富士通)が5日、渡米した。羽田空港で取材に応じた橋岡は「(今年は)パリオリンピックがあるので、大事なシーズンになりますが今までの陸上人生で最高だと言い切れるシーズンにしたいと思ってます」と決意表明。昨年から拠点としているタンブルウィードTC(tumbleweed TC/フロリダ州)でトレーニングを積み、自身2度目の五輪を目指す。

「ついに(2024年が)始まったなと。(五輪開催の)8月もすぐだろうな」と話した橋岡。年末年始は家族や親戚と過ごし、初詣の際にはおみくじを引いたという。結果は「末吉」だったが、「これじゃだめだと」まさかの引き直し。「2回目を引いたら大吉でした」と笑った。

チーム合流後はサニブラウン アブデル ハキーム(24、東レ)、東京五輪100m金メダルのラモント マルセル・ジェイコブス(イタリア)、世界陸上メダリストのトレイボン・ブロメル(アメリカ)ら、世界最高峰のスプリンターと共にスピードを磨く。「日本だと絶対に見られない環境の中でやるので楽しみです」と橋岡。「とりあえずスプリンターになれと(タンブルウィードTCの)レイダーコーチに言われたので。まずはスプリント能力を磨いて、必死にくらいつけるようにまずはそこ(スピード)を頑張っていきたい」と意気込む。

東京五輪では日本人37年振りの6位入賞を果たしたが、昨年の世界陸上ブダペストは17位。3大会連続の決勝進出を逃すなど、苦しい1年だった。「ここまで苦しんだシーズンが今までなかった。(度重なるケガの影響で)すごく陸上に対して深く向き合ったシーズン。自分を大きく成長させる糧となるようなシーズンだったと言えるようにやっていきたい」と振り返る。

「去年がダメダメだったので初戦を良い形で迎えて、(参加)標準(8m27)を早い段階で超えて、何も問題ない状態で日本選手権を勝ってパリの切符をゲットしてというようなかたちで順調にトントンといけるようなシーズンに」

パリ五輪の目標は「メダル獲得ですね、どの色が良いかは皆さん知っていると思うので」。1936年ベルリン大会の田島直人氏(銅メダル)以来となる、同種目での表彰台を目指し、勝負のシーズンが始まる。