駅伝日本一を目指し、41チームが集結するニューイヤー駅伝。
戦いの舞台は群馬県。その群馬県から唯一出場するチームが太田市に拠点を構えるSUBARUだ。毎年沿道では30か所以上に応援拠点を設け、選手を応援するのが恒例となっている。過去最高成績は2022年大会の2位。悲願の初優勝へあと一歩だった。
そんなチームの最終兵器として期待されるのが、2年連続アンカーの7区を走った口町亮(29)。武器は豪快なラストスパート。東洋大学時代に青山学院大学の原晋監督が人気ドラマ『下町ロケット』になぞらえ「口町ロケット」と呼んだことからファンの間で人気となった。
その「口町ロケット」が前回大会、陸上ファンを沸かせた。最終7区、中電工の岡原仁志と終盤まで競り合いの展開が続く中、フィニッシュまで残り400m。ダイナミックなフォームで一気にスパートし「口町ロケット」を発射させた。実況を担当した新タ悦男TBSアナウンサーも「口町ロケットだー」と伝え、口町は後方の岡原を振り切りフィニッシュした。この走りにSNSは「口町ロケットきたぁぁあぁあぁあwwwwww」「口町ロケットが発射されて正月を実感する」などの賑わいをみせ、「口町ロケット」が一時トレンド入りするなど、話題となった。口町自身も「自分の名前がトレンド入りするなんてそんな経験はない。トレンド入りすれば十分でしょ!」と笑顔で話した。
その反響は口町の職場・大泉工場にも。会社の人に話を聞くと、豪快なフォームからは想像出来ないクールな印象だという口町だが、なんと缶バッジやうちわなど「口町グッズ」を作ってしまうほどのアイドル的存在だという。
会社でも愛されている口町自身が愛してやまないものは声優の渡部優衣さん。「手に入るものは全部集める」といい、部屋の至る所にグッズが溢れている。この愛こそが口町ロケットの燃料になっているかもしれない。
今大会、SUBARUの目標は3位以内。近い将来、優勝するための設定だという。目標達成へ「口町ロケット」を炸裂させることが不可欠だ。「職場や地域の方々にお正月から元気に走っている姿を見せることが使命だと思っている。任された区間で100%の力を出し切れるように走りたいです」と口町は駅伝への思いを語った。
ニューイヤー駅伝は2024年1月1日、9時15分号砲。元日の新たな風物詩、口町ロケット発射の瞬間に注目だ。