この日、ゆきさんが向かったのは、助産院。
ゆきさん
「きのうで8か月だったんですよ」
ここで、産後ケアを受けています。
産後ケアとは、出産直後からおよそ6か月まで、母子の体調管理と育児の支援をするものです。
助産師の吉(よし)さんは、ゆきさんが出産する際、サポートを受けていた「リリア」の時からかかわっています。

ゆきさんが産後ケアをはじめたのは、「乳腺炎」がきっかけでした。
吉さんがたまたま会いに行ったときには、かなり悪化していました。
しかし、ゆきさんは赤ちゃんと離れるのが怖くて、無理をしていたといいます。

助産師 吉裕子さん
「ガリガリ、バンバンのひどい状態で『どうしてこんな、すごい痛かったでしょ、熱もあったでしょ』といったら『熱もあった』って」
吉さんのすすめですぐに入院となり、その間、里親に一時的に赤ちゃんを預けることになりました。
ゆきさん
「自分の手術後の傷がどうのこうのより、ちゃんとミルク飲ませてもらってるかなとか、寝れなくて、ストレスで…」
助産師 吉裕子さん
「誰のせいでもないけど、自分で頑張っちゃうんだなと思ったので、『よかったら産後ケアを利用してみませんか?』と聞いたのがきっかけで利用していただいた」
どんなケアが必要かは人それぞれ。
ゆきさんの場合は、赤ちゃんを優先させてしまい、なかなかゆっくり食事をとることができていませんでした。
そのため吉さんは、ゆきさんのために栄養満点の手作りの食事をふるまいました。
助産師 吉裕子さん
「(ゆきさんは)よく『大人は信用できない』と言っていたんですけど、その言葉もなくなって、自分が母親としてできる限りのことをしていこう。でも困ったときは助けてもらおうという姿勢、肩の荷が下りてきたのかなと感じます」