政府は来年度から孤立妊婦などを対象に、妊娠中から産後にかけて、支援を強化する方針です。
 ある孤立妊婦の密着取材から、必要な支援とはなにか考えます。

 ふっくらとしたおなかの、ゆきさん。このとき、22歳。妊娠8か月です。
 思いがけないタイミングでの妊娠でした。

ゆきさん
「別に予定していたわけでもないし、だから『マジ?』みたいな感じだった」

 赤ちゃんの父親は、分かっていません。
 ゆきさんは児童養護施設育ちで、頼れる家族もいません。
 「孤立妊婦」でした。

 収入も途絶え、住む場所もなく途方に暮れていたゆきさんを救ったのは、札幌市東区にある「リリア」です。
 社会福祉法人「麦の子会」が運営し、思いがけない妊娠に悩む女性が、一時的に無償で住むことができます。

 ゆきさんは、リリアで相談員の女性から料理やお金のやりくりを学びました。
 この場所の存在が、「産んで自分で育てたい」という彼女の思いを叶えました。