4月、ゆきさんは出産を迎えました。女の子の赤ちゃんです。
 幼いころに、母親や弟と離れたゆきさん。
 血のつながった家族との生活をこれから築いていきます。
 孤立妊婦の支援にとって、出産はゴールではありません。

 ゆきさん
「(目とかすごいそっくりですね)初めて会う人とかにも言われます」

 赤ちゃんは7か月になりました。ゆきさんの顔つきは、すっかりお母さんです。

 ここは、札幌市南区にある母子生活支援施設です。
 児童福祉法に基づく施設で、夫がいないなどの事情があり、支援を必要とする母子が入居できます。

(いまこうやって2人で暮らせてどうですか?)
ゆきさん
「これが普通の生活ですけど、『もし一緒にいれなかったら』ってことをたまに考えるんですけど、どれだけイライラしても自分が望んだことだし、これが幸せなのかなって思います」

 日々、子育てに奮闘しているゆきさん。
 しかしあるとき、体調を崩し、赤ちゃんと離れ離れになってしまいました。