行動範囲が広い 認知症の高齢者

認知機能が低下し、さらに足腰がおぼつかない状態でも外に出てしまう高齢者たち。

そこに、用水路の事故が相次ぐ理由があると富山県立大学の星川教授は言う。

富山県立大学 星川圭介 教授
「ほどほどに人口があって、田んぼがあって、水路が残っている。こういうところで事故が起きる」

星川教授は事故があった現場などに監視カメラを設置し、高齢者の行動を分析している。

富山県立大学 星川圭介 教授
「ここまで来て急に近づくんですよね、やっぱりね。非常に近い、本当に角のところに足を置くような形で、曲がっていかれるということが確認できます。この人も角、かなり、もう10センチ20センチのことろで水路に近づいていってしまうというところですね」

曲がり角で高齢者は進行方向に気をとられ、足下を意識せずに歩く傾向が強いという。こうした特徴が分かっても、事故を防ぐ対策をとるのは難しいという。なぜか?

富山県立大学 星川圭介 教授
「認知症となりますと、とにかく行動範囲が広い。何キロもっていうことになってくる中で、しかもあまり危険性についての認識がないとなると、(対策は)非常に難しい話になってくる。本当にそれこそ(用水路)1万数千キロにフタをするぐらいしか対策がないような形になる可能性がある」