照明工事でコンクリート貫通し発覚…約8割が空洞

和歌山県提供資料より

しかし、去年12月に行われた照明の設置工事で、作業員が設置しようと、アンカー用の穴をあけたところ、コンクリートを貫通して内部に空洞があることがわかったということです。空洞は少なくとも約8割の範囲に及んでいたということです。

 その後の調査で、本来の設計なら、コンクリートの厚さは30センチ必要なのに、最も薄いところで、わずか1/10の「3センチ」しかなかったということです。

和歌山県によりますと、請負業者は完成後、「覆工コンクリートの厚さは設計以上に確保されていた」という内容の書類を提出したということですが、県の聞き取りに対して、「検査で薄いことは把握していた」と回答したといい、書類を設計値以上に書き換えたことを認めたということです。

県ではトンネル工事の際にコンクリートの厚さを検査するよう定めています。その検査は、工事の進捗に応じて業者側から県への要請に基づいて行われるもので、計136回の検査が必要でしたが大幅に下回る6回しか行われていなかったということです。

 県によりますと、回数が少なかった理由について、「業者からの連絡が少なかった」「連絡が少ないことに組織として認識ができていなかった」ためとしています。