宿の名前に込めた思いとは?

宿の名前「要」は、三見の名所「眼鏡橋」から付けました。アーチ構造の石造りの橋で、橋脚の中央部分には「要石」があり、橋を支える重要な存在です。広瀬さんは、地域活性化の「要」になって欲しいと名付けました。
広瀬さん
「いいところだなと思ってもらえれば1番いいですね、住める宿として活用して、最終的には移住してもらいたいですね」
隣の自宅を交流スペースに

宿の隣にも、空き家を改修した自宅の一部を地域の交流スペースとして開放しています。ここで提供する大判焼きです。コーヒーを飲みながらおしゃべりをする、人が集まる拠点にしたいという思いで作りました。

下関から来た人
「古い物と新しい物がミックスされてるのがおもしろいなと思って。1つ1つ手にとって見られるというのもいいなと思いました」

広瀬さん
「おいしかったらまた来てください」
近所の人
「大判焼きずっとやりよるの?そのときに言うておくれ、私はご飯食べちょらんからお腹がすいとるから」
目的地になる場所にしたい
「三見には人はこない」という人もいたそうです。それでも広瀬さんは、「ここを目指して来てもらえるようなスペースにしたい」とさまざまな仕掛けを考えています。
広瀬さん
「今も月に1度、市の市というイベントをやってるんですけど、パン屋さんとか雑貨屋さんとか店舗は持ってないけど、技術のある人、そういう人のポップアップショップみたいな感じでやって、何かしらのつながりが生めたらなと」
交流スペースのなかには、家財の撤去で捨てられてしまう「もったいないもの」が並べられています。文房具店が閉店したときにもらった、懐かしさを感じる文房具は人気があるそうです。

大判焼きを焼き上げる間にはポストカードのイラストも描いています。三見での暮らしの中で思いついた物を描いていて販売もしています。

DIY体験を赤裸々につづった冊子も

これまで身をもって体験してきた空き家の活用体験を、冊子にもしています。空き家の購入から改修、DIYなどお金や労力について書きました。体験したことを包み隠さず話すことで、誰かの役に立って欲しいという思いです。
広瀬さん
「割と自分でも出来るんじゃないかなという人も現れてくれれば、そういう人の敷居が下がって空きや購入に踏み切る人が増えれば、ちょっとは空き家が減るんじゃないかと思います」
冊子を増刷するための募金箱も設置していて、地域の人たちが協力してくれています。














