「青葉真司!聞いているのか!」

「青葉真司!聞いているのか!色々な人たちの力によって、あなたはまだ生きている!生きたくても生きられなかった人もいるのに、あなたはまだ生きているんだよ!その意味を、よく考えてください!」

 この日は、生存した社員ら計30人分の供述調書や意見が読み上げられた。印象的だったのは、「大きな物音が怖い」「店に入っても避難経路が分からないと不安」「赤いTシャツにジーンズ姿の人を街で見ると怖くなる」など、事件以降、現在までトラウマを抱えている人が半数近くいたことだ。

 さらに、生存した社員の中には、「犯行を目撃していないため、事件に巻き込まれたと思えず、自然災害に巻き込まれたような感覚で気持ちの整理がつかない」といった複雑な感想を抱いている人たちも複数いた。こうして裁判は、大詰めを迎える。