死刑すら生易しい、なので死刑は望みません
――続いて、女性社員の弟がマイクの前に立ち、大きく一度深呼吸をしてから、こう訴えた。

「裁判官、裁判員、検察官、弁護人、そして傍聴されている方々に伝えたいことがあります。それは、突然、大事な人がなにかに巻き込まれて死んでしまうということです。きょう、いつも通り大切な人のところに帰れたらその時間を大切にしてください。そばにいられないなら、連絡してあげてください。私は姉を失ってから気づきました。後悔しています」。
――弟は、青葉被告に対して、こう述べた。
「亡くなった36人の家族、被害を受けた34人を前に『やり過ぎた』という簡単な言葉で片づけないで下さい。『どうせ死刑』とでも思っているのでしょうか。また逃げるのでしょうか。それは許しません。どれだけ憎んでも真実を知っても、亡くなった人は帰ってきません。あなたに36回、死を与えることはできませんが、死刑すら生易しいと思います。なので、あえて死刑は望みません。命の重さを知り、償いようのない苦しみで終わってほしい」