「IRは…地下鉄敷いたりできないけど、万博持ってくれば公費でやれる」
今国会でお金の問題と言えばもう一つ…。大阪万博の費用が大幅に膨張していることだ。これに関して国のお金、つまり税金がつぎ込まれているのは、万博会場の費用だけではない。
会場となる夢洲への高速道路建設に、国は最大1600億円投じることになるのだが、実は万博までには建設が間に合わないといわれている。さらに夢洲への地下鉄が新設されるが、その海底トンネルに国が約88億円負担する。
吉村大阪府知事はこれらのインフラ投資を受けて「夢洲を万博開催の弾みに続いてIRの実現を契機とし有効な資産に作り変えていく」と話す。
確かに大阪が誘致を推進するIR予定地は万博会場に隣接し、万博の為というインフラ設備はそのままIRに活かされる。取りようによっては、民間事業であるIRに国のお金でインフラを整備させる為に万博を決めたのではないか…。

立憲民主党 辻元清美 参議院議員
「そっちが正しいんじゃないですか。大阪では皆そう言ってます。IRは企業が中心にやるから公費で地下鉄敷いたりできないけど、万博持ってくれば公費でやれるじゃないですか…。IRの場所も地盤が緩くて、公費は入れないって言ってたのに地盤改良にもう800億くらい入れてる、まぁこれは大阪の公費ですけど…」
計画以上の巨額の費用がかかることになる大阪・関西万博。この税金が使われることになる計画の始まりについて、松井一郎前知事が著作『政治家の喧嘩力』で明らかにしている。
時は「2015年の年末、安倍晋三総理(当時)、菅義偉官房長官(当時)と政界を引退したばかりの橋下さん、私の4人で橋下さんの慰労会を兼ねた忘年会を開いたとき」で、「日本が超高齢化社会の課題を解決する能力を世界にアピールできれば、成長の起爆剤になる」と万博の意義を松井前知事。そして「さらに総理にお酒を注ぎながら、一生懸命、持論を展開した」そうである。「すると安倍総理は『それは挑戦しがいのある課題だよね』とおっしゃって、隣の菅官房長官に、声をかけられた。『菅ちゃん、ちょっとまとめてよ』この一言で大阪万博が動き出した」とのこと。

自民党元幹事長 石破茂 衆議院議員
「どうしてこんなことになっちゃったんだろう…。万博で何を問うのか明らかにならないままに、お金の話だけがどんどん広がっていく光景というのは、どこかおかしい。高齢化社会をこう乗り切るんだと示すのであれば、もっと賛同が広がるはず…」
(BS-TBS『報道1930』12月4日放送より)