『利益率9割以上』『ノルマとキックバック』『世襲は相続税ゼロ』『大阪万博の本当の目的』これらは政治と金に関わってこのところメディアに飛び交うフレーズだ。いつの時代も必ず持ち上がる“政治と金”。今注目の問題を議論した中で印象に残った言葉を取り上げた。

「最大派閥の力を悪用した組織的なマネーロンダリングの可能性…」

昔から言われてきたが見過ごされてきた政治家の“パーティー券”。収支報告書の記載漏れ、パー券ノルマ、ノルマ以上に売った分はキックバックとして個人の懐に…。日に日に話は広がり、地検特捜部も今回は本気だ…と聞く。この問題を長年政治記者として見て来た毎日新聞の古賀氏が語った…。

毎日新聞 古賀攻 客員編集委員
「キックバックの話は初めて聞きました。私も当初は会計処理のいい加減さというくらいに甘く見ていた。よくよく聞くと大ごとだと分かりました。これは最大派閥の力を悪用した組織的なマネーロンダリングの可能性があるわけです。しかもこれに係わった安倍派の幹部の議員は岸田政権の中枢にいるわけですから、岸田政権はこのまま立ち枯れるかっていう雰囲気になってますが、ことの次第によっては立ってもいられなくなる局面が来るような…」

思えばパーティー券収入など、政治家に入るお金を透明化するために、全国民から250円ずつ集めて政党に振り分ける制度ができた。その額は自民党だけでも159億円だ。にもかかわらず、献金はなくならず“二重取り”と言われている。しかもパーティー券の収支はザルだとすれば二重取り以上だ。

自らも派閥の長であった経験のある、自民党の石破茂元幹事長も、派閥パーティーを開いたこともあるし、若い時に、所属していた派閥のパーティー券を売り歩いた。

自民党元幹事長 石破茂 衆議院議員
「平成研(旧竹下派・現茂木派)にいた頃は閣僚もやっていたから、目標金額は高かった。目標金額までは売ったけれども、それ以上売る能力がなかったから、キックバックの余地はなかった…。石破派のパーティーでもノルマというかこれだけ売ってくださいという額はあって、それは派閥にまず入る。それ以上売った分に関してはその人の資金管理団体に戻す。入りと出をはっきりさせていた。それは当時の事務担当にも確認しました」

22年分の派閥パーティーで収支報告に載っているものを見ると、なぜか安倍派が他の派閥よりもかなり少ないのがわかる。麻生派2億3000万円に対し安倍派は9000万円だ。99人の議員を擁する最大派閥なのに、である。なぜなのか。

毎日新聞 古賀攻 客員編集委員
「私は去年も今年も、安倍派のパーティーを見に行きましたが、主会場では入りきれず、3つも4つも分散するくらい大変な盛況でした。しかも今年はコロナが五類になったので、飲食が出るかと思ったが、おみやげはパンフレットだけ。文句が出ていたほどすごい利益率。ほとんどが献金になっている…」

真相は安倍派の説明または検察の捜査を待つしかなさそうだ。