「一言でいえば“迷惑”って感じ…」

放置されたボートに、地元の漁業関係者も怒りの色を隠せません。

「風が強い日に船が飛んできて流れ出てしまい、この辺に流れ着いていた…」

2022年12月には、強風によってボートが移動し、遊漁船が係留している100m先の場所まで流されてきたといいます。

「遊漁船が係留してあるので、そこにぶつかったりすると船が破損してしまう」

新潟県では、いつからボートが放置されているかは把握していないということですが、2014年には港湾区域に、立ち入り禁止やボートの撤去を求める張り紙などを設置しています。

しかし、被害は止みません。

【新潟県長岡地域振興局 地域整備部 保達倫人副部長】
「厳しい天候が想定される中でボートが放置された状態のままだと、周囲に危険を及ぼす恐れが高い。一刻も早く自主的に撤去を…」

2023年11月になって新潟県は、12月12日までに撤去するようボートの所有者に対して公告しています。

公告から1週間後、寺泊港にボートを運び出す人の姿がみられました。

「知り合いに頼まれて、撤去だけに来たんです」
「所有者から、早急に撤去しなきゃまずいだろうと…」

ボートの所有者から撤去を頼まれたという男性に、なぜ所有者はボートを放置していたのかを聞いてみました。

「向こうの離れた所の防波堤に釣りに行く」
「もう何十年も大昔からボートを置くのが当たり前のように…」

撤去期限の12日を過ぎても放置されているボートは新潟県が簡易代執行により撤去をするということですが、そこにはおよそ数百万円の税金が使われる見込みです。

「税金を使うんだったら、やっぱり皆が自主的にやってもらわなきゃ駄目だよね」

禁止区域にボートを放置したままにしておくと、所有者には1年以下の懲役、または50万円以下の罰金が科せられる可能性があります。
港湾を管理する新潟県は、所有者がボートを自主的に撤去しなかった場合、12月13日から撤去作業を始めるとしています。