開催まで約500日となった大阪・関西万博。会場にはどのようなパビリオンができるのでしょうか?万博に向けた準備のいまを取材しました。
海外勢で初めて予定地が引き渡されたトルクメニスタン
11月16日、大阪・夢洲の万博予定地に黒塗りの車列が入りました。車から降り立ったのは、中央アジアの国・トルクメニスタンの万博担当の大臣です。この日、海外勢として初めてパビリオン予定地の引き渡しが行われました。
(トルクメニスタンの関係者)「私たち以外は、旗を立てたり、囲いを作っている国はないですね」
(施工業者)「ないです。初めてです」
トルクメニスタンは人口約650万人、その多くをイスラム教徒が占めています。古代シルクロードの要所で歴史的な遺跡が多く、絨毯や馬が名産です。
世界中から人が集まる万博は、国を知ってもらう絶好の機会だと担当者は話します。
(トルクメニスタンの万博担当者)「万博はわが国の発展や世界遺産、文化を世界の人たちに知ってもらうための重要なイベントです。準備はとても順調です。一番乗りで土地の引き渡しを受けたので、すぐにでもパビリオンの建設を始めるつもりです」
愛知万博のときと比較…ギリシャ「この時期だともうちょっと話が進んでいたような印象」
国の期待を背負い建設が始まりつつあるパビリオン。しかし、順風満帆な国ばかりではありません。11月29日時点で、約50か国がパビリオンを独自に設計、建設して出展することを目指していますが、資材の高騰や人手不足などで建設会社が決まっているのは30か国にとどまっています。
(ポーランドの担当者 建設会社未定※11月15日時点)「ポーランドのデザインは複雑で結構工期がかかると言われています。最初に手を挙げてくださったゼネコンが、やっぱり難しいとか、時間が限られているので間に合わない可能性が高いとか、リスクが高すぎるとか、責任を取れないと言うようになったんです」
(クウェートの担当者 建設会社決定※11月14日時点)「非常に多くの課題があります。ほとんどは人件費と設備のことです。工事現場の入口が1つしかない可能性があるので、みんな同時に作業するとなると大変ですね」
ギリシャは、「西洋文明の始まりの地」であることを体感できるパビリオンを出展する予定ですが…。
(駐日ギリシャ大使館 カラペツァス・アタナシオス全権公使)「愛知万博のときも日本でギリシャの万博担当をしていましたが、この時期だともうちょっと話が進んでいたような印象です。博覧会協会は参加国の悩みや課題を聞いて解決策を一緒に考えることがとても大事になってくると思います」