クマごと・地域ごとの対策を

吉澤さんは、今、NPOに所属し、旭川市のクマ対策に携わっている。

仕掛けているのは、「ヘアトラップ」。木に体をこすりつけるクマの習性を利用して、毛を採取し、DNAを調べる。どのクマがどの範囲を移動しているかデータを蓄積するためだ。

NPO法人もりねっと北海道 山本牧代表
「(ヒグマは)年代・性別によって行動パターンが違うので、わかった上で、それに対する対策を立てる」

たとえばオスのクマは、メスの10倍から100倍の広い範囲を移動する。札幌市・南区に現れたヒグマが15キロほど離れた江別市に移動した例もある。

「ヘアトラップ」などの調査で、オスが住宅街に現れたことがわかれば、広範囲の自治体と情報を共有し、警戒することが可能になるのだ。

出没の理由は人間社会にある。それはつまり、対策のカギも人間側にあるということだ。

NPO法人もりねっと北海道 吉澤茉耶さん
「それぞれの地域が持っている環境をクマ対策に合わせて考えるとどうなるか。地域地域でやっていかなければいけない」