岩手県では11月1日にニホンジカとイノシシの狩猟が解禁されました。このシカやイノシシが、今年過去最多の人身被害が生じているツキノワグマの行動に影響をもたらしていると、ハンターや専門家は言います。
「猟期も始まった。これから有害駆除を行います」

11月19日、花巻市大迫町の山林に、市の委託を受けた花巻市猟友会のメンバーおよそ40人が集まりました。
(花巻市猟友会 藤沼弘文 会長)
「イノシシとシカの駆除、適正な保護、頭数制限をやろうと来ています」

猟は獲物を追う「勢子(せこ)」と猟銃で撃つ「立ち」に分かれて行われます。
2時間ほどで1頭のシカを捕獲しました。

猟友会の藤沼会長は、「近年、山に異変が起きている」と感じています。
(藤沼会長)
「シカは異常に増えている。今から20~30年前は三陸の方に行ってなんとか1頭から2頭という状況だった」

岩手県内では2012年以降、シカやイノシシの急増による農作物の被害が深刻化しています。
県内のシカによる農業被害額は、2011年度はおよそ1億5700万円でしたが2012年度におよそ2億8300万円に増えました。2022年度はおよそ2億7400万円と2011年度の1.75倍です。

またイノシシによる農業被害額は、2011年度、107万円ほどでしたが、2012年度におよそ213万円になるとその後も増加し2022年度はおよそ4180万円と、2011年度の40倍に跳ね上がりました。
