
岩手県内の2022年度のシカの個体数はおよそ10万2000頭と推測されていて、これは国が発表した2012年度の4万頭の2.5倍にあたります。
イノシシに関しては実数が把握できていません。
(山内准教授)
「80年代からの技術的な蓄積もあって、シカの動態は把握できるが、イノシシはこの10年で急に増え、調査も万全にできていない。被害もちゃんと調べ切れていない」

環境省がイノシシの分布を発表していますが、2011年度以降に発見された地域もあります。

イノシシの急増の原因について環境省は、福島第一原発の事故で避難地域の空き家の周辺などに住みついたことや、ハンターの減少を挙げています。
岩手県内のイノシシの捕獲数は2011年は0頭でしたが、2022年は979頭でした。
(山内准教授)
「(イノシシが)数年で岩手県中に広がるのは避けられない。(そうなるとクマがさらに人里に)出てくる可能性がある。“山の実”次第だけど。イノシシ、シカも同じだが繁殖率が非常に高いので、とにかく数を減らすところに注力しないといけない」

クマによる被害の拡大を防ぐには、イノシシやシカの対策にも目を向ける必要があります。