■国内で稽古できず 相撲のウクライナ代表 愛媛県西予市で強化合宿
5月16日、愛媛県西予市野村町の乙亥会館で、相撲のウクライナ代表の強化合宿が始まりました。ウクライナ代表は、7月7日に開幕する世界大会への出場が決まっていますが、ロシアの軍事侵攻によりウクライナ国内で稽古を行うことができず、愛媛県相撲連盟などが合宿を誘致しました。
ウクライナ代表の1人、スヴャトスラヴ・セミクラス選手(24)。85キロ未満の軽量クラスで、現在、世界ランク1位の強豪選手です。

■軍からの召集令状が届いた父 2か月後に戦地へ
セミクラス選手の故郷は、ウクライナの首都・キーウから約250キロ離れた中西部のビニツァ州。ロシア軍の攻撃で鉄道の駅が破壊されるなど軍事侵攻による被害が多発しています。
セミクラス選手
私の大勢の友人が戦地で戦って傷付いている。亡くなった友人もいるし目を無くした友人もいる

ウクライナはロシアとの戦闘に備え国民総動員令を発令し、原則、18~60歳までの男性の出国を禁止しています。
セミクラス選手は世界大会に出場するため政府の許可を得て出国しましたが、相撲に集中する一方、ウクライナに残してきた家族の身を案じています。
セミクラス選手
ウクライナには母と父、2つ年上の姉が残っている。家族は安全な場所にいるがいつミサイルが飛んでくるか分からない

そして、恋人の父親は今まさに祖国を守るため戦っています。
セミクラス選手自身も世界大会が終われば、いつ軍に召集されるか分かりません。
セミクラス選手
両親は私に「世界大会が終わったらウクライナに戻らずヨーロッパに避難してほしい」と言うが、私はウクライナに戻る。