6月22日公示の参院選挙も中盤から後半へと差し掛かっています。今回の選挙では物価高と並んで各党が力を入れているのが安全保障や防衛費の問題です。2月末に始まったロシアのウクライナ侵攻で世界各国の緊張感は高まっています。
例えばドイツは、ロシアの侵攻直後に防衛費をNATO=北大西洋条約機構の加盟国が目標とする「GDP比率で2%」に拡大する方針を決めました。日本でも複数の政党が防衛費をGDP2%程度に引き上げることを公約で掲げています。日本のGDP2%は10兆から11兆円規模となります。5兆数千億円のいまの防衛予算をおよそ倍増することになります。
一方、防衛費の増額には理解を示すものの「総額ありきでない」として真に必要な防衛費を積み上げていくべきという主張の政党も複数あるほか、軍事の総額でなく憲法9条を活用した平和外交の推進を訴える政党もあります。安全保障分野に関する各党の公約を見ていきましょう。

●自民党


「NATO諸国の国防予算の対GDP比目標(2%以上)も念頭に、真に必要な防衛関係費を積み上げ、来年度から5年以内に、防衛力の抜本的強化に必要な予算水準の達成を目指します」
「弾道ミサイル攻撃を含むわが国への武力攻撃に対する反撃能力を保有し、これらの攻撃を抑止し、対処します」
「海上保安庁の体制拡充・自衛隊との連携強化等により、領域侵害に対処するための万全の措置を講じます」(令和4年参議院選挙公約より)

●立憲民主党


「総額ありきではなく、メリハリのある防衛予算で防衛力の質的向上を図ります」
「弾道ミサイル等の脅威への抑止力と対処能力強化を重視し、日米同盟の役割分担を前提としつつ、専守防衛との整合性など多角的な観点から検討を行い、着実な防衛力整備を行います」
「台湾有事等の深刻な危機を回避するため、日米のみならず、QUAD、ASEAN+3、EU等とインド太平洋地域の航行の安全確保を含む、安全保障協力等に関する国際会議体設立を目指します。(2022政策パンフレットより)

●公明党


「国民の生命と平和な暮らしを守るため、専守防衛の下、防衛力を着実に整備・強化します」
「予算額ありきではなく、研究開発費や自衛隊員の人材確保に必要な処遇の改善、宇宙・サイバー・電磁波などの新しい領域において優れた能力を有すると認められる外部人材の登用など、厳しさを増す安全保障環境から国民を守るために具体的に何が必要なのか、個別具体的に検討し、真に必要な予算の確保を図ります」(2022参院選政策集より)

●日本維新の会


「防衛費のGDP比1%枠を撤廃し、まずはGDP比2%を一つの目安として増額することを目指し、他国からの武力による侵略や、テロ、サイバー攻撃、宇宙空間に対する防衛体制を総合的に強化し、国民の生命と財産を真に守れる「積極防衛能力」の整備を図ります」
「国連安全保障理事会が世界の平和維持システムとしての機能不全を起こしている現状を踏まえ、拒否権の廃止を含む抜本的な改革を求めるとともに、必要であれば国連に代わる新たな国際秩序の形成を目指します」(2022政策パンフレットより)

●日本共産党


「「力対力」でなく「外交による平和を」―憲法9条をいかす平和の外交で、東アジアと世界の平和をつくろう」
「平和と暮らしを壊す軍事費2倍化を許しません」
「日本は、憲法9条を持つ国として、東アジアにおける軍拡競争を軍縮へと転換させるための、外交的イニシアチブを発揮すべきです」(参院選政策より)

●国民民主党


「自分の国は「自分で守る」との理念に基づき、自立的な安全保障体制を目指します」
「「戦争を始めさせない抑止力」の強化と、攻撃を受けた場合の「自衛のための打撃力(反撃力)」を整備します」
「防衛技術の進歩、サイバー、宇宙、電磁波など新たな領域などに対処できるよう、専守防衛に徹しつつ、必要な防衛費を増額します」(政策パンフレットより)

●れいわ新選組


「日本は今こそ、専守防衛と徹底した平和外交によって周辺諸国との信頼醸成を強化し、北東アジアの平和と安定に寄与していくときです」
「唯一の戦争被爆国として、日本は、核兵器禁止条約を直ちに批准し、「核なき世界」の先頭に立つことにより地域の安定をリードしていきます」(参議院選挙2022緊急政策より)

●社民党


「武力で平和は作れません!ウクライナ危機に便乗した防衛力大幅増強の動きに反対します。平和憲法の理念を活かし、外交の力で平和を実現します」
「ロシアのウクライナ侵攻を許さない!ロシア軍の無条件・即時撤退を求めます。「戦争」ではなく、「外交」こそが唯一の解決策です」
「「台湾有事」を想定した日米の戦争準備に断固反対します。南西諸島、馬毛島の軍事基地化に反対します」(参院選2022選挙公約より)

●NHK党


「我が国は、現実的な国防力を整えるために国際標準とされる GDP2% 程度の防衛費への引き上げをするべきであると考える」
「いわゆる「敵基地攻撃能力」については、国民の命と財産を守るため必要な程度を必ず保有すべきと考え、憲法も含めた法整備について国会での議論を求めていく」
「核共有の議論は積極的に進めるべきと考える」(公約より)