イスラエル軍突入により戦場と化したガザ最大の病院。この病院に『国境なき医師団』として何度も通っていた白根麻衣子さんとともにお伝えしていきます。
「病院内に司令部・武器」主張 動画を撮る直前に置いた可能性も?

加藤シルビアキャスター:
イスラエル軍は日本時間15日の午前、ガザ地区にある「シファ病院」に突入したと発表しました。「シファ病院」はガザ地区最大規模の病院で、WHOによりますと、患者700人、医療スタッフ400人以上、避難者約3000人が敷地内にいるということです。
BBCによりますと、突入の際、戦車6両、兵士100人以上が敷地内に入ったということです。またロイター通信は、新生児について少なくとも3人死亡、36人が命の危険にさらされていると報じています。

突入についてイスラエル軍は「病院の地下などに、ハマスの重要拠点がある」と主張しています。実際にイスラエル軍が公開した映像の中で「廊下には、病院の業務には全く必要のないはずの武器などがある」「MRI室には作戦司令部があり、多くの武器が見つかった」と発表しています。
ただ、前JNN中東支局長の須賀川拓記者によりますと「銃器・弾倉など常備すれば強力な磁場により発熱・爆発の可能性がある」ということで、この動画を撮る直前に置いた可能性も否定することができないということでした。

この発表について、イスラム武装組織ハマスは「病院に武器があるとのイスラエル軍の主張は明白なウソである」と発表しています。
ホラン千秋キャスター:
白根さんは実際に現場で活動をされていたそうですが、子どもや患者さんのことを思うと本当に胸が痛みますよね。

国境なき医師団 白根麻衣子さん:
そうですね。帰国してから毎日ガザの悲惨な映像を見ると本当に心が痛みます。私達の現地スタッフはまだ300人以上が、ガザの中に残って活動を続けているので、それを思うと本当に心が苦しいです。
ホランキャスター:
普段、病院の内部はどのような状態でしたか?

国境なき医師団 白根麻衣子さん:
この紛争が始まる前、私が最後にこの病院に行ったのは10月5日でしたが、地域医療をなす中核の病院で、たくさんの患者さんたちが毎日訪れる、普通の病院でした。
井上貴博キャスター:
病院に入る際、ここには入らないで欲しいとか、この先には地下トンネルがあるとか、そういった説明はあるのでしょうか。
国境なき医師団 白根麻衣子さん:
全くありません。私が病院に訪れたとき、トンネルや武器があるというのは、聞いたことも見たこともありません。
ホランキャスター:
そうなると、なぜこの病院がこのようになってしまったのだろうという気持ちになりますね。

国境なき医師団 白根麻衣子さん:
そうですね。今回の写真などを見ると、全く別の場所のように感じます。