去年5月、長崎県島原市で同居する祖母を殺害したとして殺人の罪に問われている37歳の孫の男の裁判員裁判が30日、結審し、検察側は男に懲役6年を求刑しました。

起訴状などによりますと、被告は去年5月、自宅で同居していた91歳の祖母の顔を複数回、殴ったうえ、庭に引きずり出し、上半身を複数回踏みつけるなどして殺害したとして殺人の罪に問われています。
裁判は裁判員裁判で行われ、起訴内容に争いはなく、犯行時の『被告の責任能力』が争点となっています。

■ 母の介護・死亡後は"認知症の祖母"と"祖父"の介護 殺害までの経緯

弁護側によりますと、被告は認知症の祖母に加え、同居する祖父の介護も一人で行っており、そのストレスなどから精神障がいを発症。
全裸で市内を歩き回る、自生している植物を食べるなどの奇行が目立つようになったといい、検察側も被告に精神障がいがあったことは認めています。

検察が示した『犯行に至る経緯』

▽2007年頃
祖父方で、母、祖父、祖母(被害者)と4人で同居を開始

▽2016年頃
母が病気で倒れ介護が必要となり、仕事を辞めて介護に専念

▽2019年 2月頃
母が病死し、祖父、祖母との3人で同居

▽同年 4月頃
一人で歩けなくなった祖母や高齢の祖父の介護をするようになった

▽同年 8月頃
祖母に認知症の症状が出始め、用もないのに被告を呼び出したり、食事を摂ったにも関わらず食事させるよう繰り返し要求するようになった
排泄の後始末等を続けるうちに介護にストレスを感じるようになった

▽2021年 4月上旬
祖母から「ご飯を食べさせないのは人殺し」と言われて腹を立て、頭を殴るなどした
被告は「被害者が死んでほしい」と思うようになったが、介護サービスなどを利用したりせず一人で介護を続けた

▽同年 4月29日
被害者が被告を夜中に起こす回数が増えるなどし、介護のストレスから急性一過性精神病性障がいを発症(逮捕後の精神鑑定で判明)
・神社のさい銭箱に財布を投げ入れる
・全裸で市街地を徘徊
・外出時に自生している植物を生で食べるなどした
一方、食料品の購入や祖父母の介護や親族とのやり取りは普段通り行っていた

▽同年 5月1日(犯行当日)
早朝、全裸で徘徊していたところ、途中で羞恥心を覚え、寺院で服を借りるなどして帰宅
昼頃、さい銭箱に入れた財布を取り戻すため「罰ゲームで入れた」とうそを言い、返してもらう
この日、被害者が用事もないのに呼び出したり、食事を摂ったにも関わらず「食べさせろ」という回数がいつもより多く(60回ほど)苛立ちを募らせた