彼女を苦しめた「違和感」

県立九谷焼技術研修所の中田利枝先生は、髙林さんについて「雑に作業することが全くない。ポイントをきっちり抑えてやっているので、本当に尊敬している」と評価し、同級生は「研修所に入った段階で凄い技術があって上手だが、それに甘んじずに常に努力している姿が素敵だ」と話していました。


高林さんは、2019年に大学を卒業後、都内の企業に就職しました。ところが、物心がついた頃から感じていたある「違和感」が、彼女を苦しめたのです。


高林真穂さん(26)
「何か間違った行動をとると人が離れていくんじゃないかとか、失言をしたら嫌われるんじゃないかっていうことが凄く怖くて、人付き合いが苦手な時期がありました。今まで、何とか無理して努力して周りに合わせていたのがガラガラと崩れていった」


仕事にやりがいを見いだせず、人間関係も上手く行かない日々が続き、新卒で入った会社はわずか1年足らずで退職。その後、金沢の病院で診断されたのは、発達障害のひとつ「ADHD」でした。高林さんは、判断を下された当時の心情について「自分が障害者ということを受け入れたくないって長らく思って来たから、葛藤はありました」と振り返ります。