「片付けができない」「忘れものが多い」こうした特性が、日常生活に生きづらさを感じさせる原因となる発達障害のひとつが「ADHD=注意欠陥・多動性障害」です。このADHDと診断され、自らの障害と向き合いながらものづくりに情熱を注ぐ、1人の女性を取材しました。


赤色と緑色をベースに、緻密に描かれる柄や模様。まるでおとぎ話の世界から飛び出してきたようなこの作品、実は「箸置き」なんです。


「この食器を使ってご飯を食べたいって思えたり、お揃いの食器を使って食べている人と美味しいね、楽しいねって言い合える関係とかそういうものに憧れがあったんです」


今年4月、能美市の県立九谷焼技術研修所に入所した高林真穂さん(26)です。

高林真穂さん(26)
「こういう形の花瓶を作ろうとしていて、これが元の型。多面体で鳥を作ろうという試みですね」

この日行われていたのは、石膏を使った型作り。完成した型を使って、オリジナルの花器を作ります。


高林真穂さん(26)
「うーん、ちょっと足りんかもな…。この三角が歪んで二等辺三角形になるとか、そうなってしまうと自分の中では一気に見栄えが劣るんです」


高林さんが得意とするのは、精密さが求められる作業。研究所でも一目置かれる存在です。