イスラエルとイスラム組織ハマスの戦闘が始まって1か月が経った。パレスチナ自治区ガザでは、イスラエル軍によるハマスを標的とした攻撃が続けられているが、犠牲になっている人の多くは罪のない一般市民だ。戦闘開始直前に来日したガザの中学生や、8年前に来日し、今はガザの避難所で暮らす先生が訴えたこととは。
「天井のない監獄」ガザからやってきた3人の中学生
9月末、成田空港。
満面の笑みで到着ゲートから姿を現したのはパレスチナ自治区ガザからやってきた中学生3人だ。
彼らは、UNRWA=国連パレスチナ難民救済事業機関が運営する学校に通う難民で、日本政府のUNRWAへの支援が70年を迎えることを記念して来日が決まった。

ラマさん(14)
「たくさんの冒険や経験をすることになると思います。来られて本当にうれしいです」
ファディさん(13)
「将来は科学者になりたいので、ロボットなど日本のテクノロジーを見てみたいです。」
「天井のない監獄」と言われるガザ。全長65キロにわたる壁やフェンスに囲まれ、人や物資の出入りが厳しく制限されているため、域内から出ることも決して簡単ではない。

生まれて初めてガザを離れてやって来た日本で、あらゆるものが珍しいのか、3人は空港内のカフェやコンビニに目を輝かせていた。
しかし、都内で開かれたシンポジウムでガザでの生活について聞かれると、一気に真剣な面持ちに。日本の高校生など参加した100人に、生まれ育った土地の現状について語った。
ラマさん(14)
「家族で一緒の部屋に隠れていたら、突然窓がピカっと光り、家の前を爆弾が通り過ぎるのが見えました」「私たち子どもたちには能力も夢もあるのに、それを叶える機会がありません」
ジェナンさん(14)
「私はこれまで5回の戦争と数えきれない争いを目の当たりにしました。電気を使えるのは一日6時間だけ、貧困は拡大しています」