多くの救護スタッフらも参加するフルマラソンですが、一般ランナーと並走しながら負傷者らの手当てをする「ドクターランナー」をご存じでしょうか。ランナーの命を支える一人の医師を取材しました。
上村彩子キャスター:
今日ご紹介するのは、ドクターランナーでもあり、高杉こどもクリニックの院長でもある高杉尚志さん53歳です。

高杉さんは2023年11月12日に岡山市内で開催される“おかやまマラソン”にドクターランナーとして参加する予定です。
元からスポーツマンだった高杉さんですが、なぜドクターランナーになったのかと言いますと、きっかけは2015年の“第1回おかやまマラソン”でした。
医師会から案内があり、“力になれば”と思い参加したということです。「ドクターランナー」としては6回連続で出場しています。
ドクターランナーとは?

では、ドクターランナーはどんなことをするのでしょうか?
ドクターランナーは、走りながらランナーの異変を観察し、傷病者への初期対応を担っているんです。
ドクターランナー 高杉尚志さん
「足が痛そうな人には声をかけるなどして体調を確認します」
さらには、ランナーの息づかいや顔色もチェックするといいます。
▼ドクターランナーの持ち物
・経口補水液のゼリー
・塩分タブレット
・人工呼吸用のマスク
・タオル、絆創膏など
⇒総重量は約1kg

ドクターランナー 高杉尚志さん
「自分のことを忘れて走るので、普通に走るよりもなぜか楽なんです。『ドクターランナー頑張って』という声援も励みになっています」

上村キャスター:
高杉さんが参加する今回の“おかやまマラソン”ですが、約1万5000人のランナーが参加します。この人数に対してドクターランナー54人が参加します。
ドクターランナーは、走力に合わせて10グループにわかれます。高杉さんご自身としては、4時間を切ったこともあるぐらいのランナーではあるんですが、5時間前半のペースで周りの人をチェックしながら走ります。
他にも、救護スタッフやサポーターら約600人の医療ボランティアが参加するということです。改めてこういう方たちがいるからこそ、安心して走れているんですね。
井上貴博キャスター:
皆さんが大会を支えていらっしゃるというのは間違いないですが、東京マラソンでタレントの松村邦洋さんが心肺停止で倒れたときも、ドクターランナーやボランティアスタッフがご活躍されたと言われてます。やはり体調が急変する方はマラソン中いらっしゃいますからね。
ホラン千秋キャスター:
大会などで走り慣れているプロフェッショナルの方でも、体調を崩されることがありますので、何が起こるかわからない中で、ドクターランナーの皆さんを初め救護スタッフの皆さんがいてくださるから安心して走れるというところはあるでしょうね。