皮は関われば関わるほど面白い
「墨田区社会福祉会館」の次は、地元の方がいるテントに行き、ここで、2つ目のスタンプをもらいます。
そして、3つ目のポイントはテントからほど近くにある「産業・教育資料室きねがわ」です。
木下川の皮革や油脂産業の歴史についての展示や、バッグや靴等の皮革製品、油脂を原材料にした石鹸やラードなどの製品が展示されているほか、今は廃校になった木下川小学校で行われていた人権教育の展示もあります。学習の成果が文集などにまとめられています。
また、特別展示として牛や豚の革に描かれた絵が飾られていました。
絵を描いたのは、絵本「よみがえった黒べえ」の絵を担当した渡辺つむぎさんです。「よみがえった黒べえ」は大きな牛「黒べえ」の物語で、牛などの皮から革製品へモノを作って生み出してきた木下川の営みの素晴らしさなどが描かれた絵本です。
渡辺さんの特別展示は、牛一頭分、豚半頭分の皮に専用の道具で直に線を引いたり色をつけた物で、多くの人が足を止めていました。渡辺さんに、今回のコンセプトや皮を使って作品を作ることについて伺いました。
ーー今回の作品のコンセプトは?
絵本「よみがえった黒べえ」絵の担当 渡辺つむぎさん
「『よみがえった黒べえ』が絵本を飛び出して全国を旅したよっていうコンセプトになっております。人権の旅という感じですかね。沖縄の問題とか、関東大震災の朝鮮人虐殺事件を表現してるんですけれども。その追悼のね」
ーー皮を使う狙いは?
渡辺つむぎさん
「最初に墨田に越してきたときに木下川に出会って、皮って関われば関わるほど面白いなと思って、どんどん工場も減ってきてるけども何か関わっていきたいなとは思いますね。革の可能性っていうかね、面白いんでね。服やカバンを作るだけじゃなくて、こんな使い方もできるよっていう1つです」

この作品を見た方はどんな感想を持ったのか?木下川で暮らし、夫や息子が皮革産業に関わっているという女性は、作品について「素晴らしい」と絶賛していました。また「こうした形で皮革産業に関心をもってくれるのは嬉しい」と話します。一方、木下川地域について「残せるものは残して産業の維持のために頑張っている」ということでした。














