裁判の直前に異動してきた裁判官が勧告した「和解」の意味
元副知事 謝花喜一郎さん
「福岡高裁那覇支部の多見谷さんという人が代執行訴訟の直前にきて、口頭弁論も5回開かれたが、いきなり『和解を勧告します』という話をして。代執行は最後の手段だと思うが『そこで和解って何だろう?』とあの時は疑問に思った」

裁判の直前に異動してきた多見谷裁判官による突然の和解勧告。なぜ和解を勧めたのか真意は分からないとしながらも、謝花さんは国が“代執行”を起こす上で、何らかの不備があった為ではないかと振り返ります。

元副知事 謝花喜一郎さん
「代執行の前に違法確認訴訟とか手続きも取って、国もやるようなものを、手続きを省いてやってしまったというところで、当時の多見谷裁判官は『和解を勧告します』と国にストップをかけたと思う」
Q当時は、和解で工事が止まるという目の前に希望はあるが、不穏ではあった?
「工事が止まる。円満解決に向けて協議を図るという文言が入っていた。そこにある意味、期待した部分はあると思う。ただ国は他の手続きで、解決を図るというレールは敷いていた感じがする」

和解に終わった過去の代執行訴訟。しかし法廷闘争は再燃し、今月30日に行われる代執行訴訟に至ります。
国と地方との関係が対等と言えるのか、改めて問われる裁判であり、全国民が注視すべきだと謝花さんは話します。
元副知事 謝花喜一郎さん
「辺野古の問題で民意も沢山出ている中で。この代執行で判断が行われるのは、本当に民主主義国家の我が国にとっていいのか、地方は議論せずに国の意向に従うような、判断をせざるを得ないと追い込まれる可能性が、どこの自治体でも出てくるのではないかという気がする。取材を受けて私が今日こうして来たのも、過去のことを知っている者として、しっかり県民の皆さん、国民の皆さんに辺野古の問題を分かりやすく伝えることが出来たらなという思いが実はあった。何らかの形で思いが伝わればいいと思う」