答えを決めつけない、体験できる展示に

では実際「老いパーク」がどんな展示になるのか。小林さんとガビンさんのお話です。

日本科学未来館・科学コミュニケーター 小林沙羅さん
「身体的な老化で何が起こるかというのを知ってもらうゲームコンテンツを用意しています。でも、『老化するとこうなるんだよ』で終わると『えー大変だ。老いたくない。困っちゃうな』みたいな読後感になってしまうと嫌だなと思ったので、見え方なり聞こえ方なり体の動き方が変わってきた時に何ができるかということを見せたい。普段皆さんの生活がいろいろで、年の重ね方がいろいろであるように『答えが一つじゃない』というところはすごく大事にして、展示を作っています」

伊藤ガビンさん
「いろんな疑似体験ができるようになっていて『こういうふうにゆっくりしか歩けないんだ』とか『見え方がこうなっているんだ』ということが分かったら、『早くしろよ』というような意識じゃなくなって、優しくなれると思うんですよね。ぜひ展示を体験していただいて、老いていくとどういうことが体に起こってくるのかということを体験していただけるといいかなと思います」

誰にでも訪れる、でもなかなか実感がわかない。それでも向き合うこと、備える事が求められる。「老いパーク」がその一歩になるのか、11月の公開で問われそうです。
(TBSラジオ「人権TODAY」担当:進藤誠人)