■セリフやアドリブでわかりやすく伝えるのがウグイス嬢の力量
全国から依頼が殺到する“カリスマ・ウグイス嬢”となった幸慶さん。アナウンスの内容に“カリスマ”ならではの技がありました。
幸慶さん
「政策チラシやパンフレットというのは、候補者のやりたいこととマッチした政策を箇条書きに抽出したもの。キャッチフレーズは候補者の人となりを表したものだと言えると思うんです」
候補者のキャッチフレーズから外れてアドリブを多用してしまうと、ウグイス嬢個人が作り上げた候補者のイメージを伝えることになるので、キャッチコピー、アドリブ、キャッチコピー、アドリブ…のようにキャッチコピーをメインにアナウンスしていくのは一番の基軸だといいます。
例えば、候補者の政策に「子供たちの子育て支援のために、待機児童の解消へ向けて頑張ります」という1行があったとします。
これを幸慶さんがアナウンスすると「選挙太郎、選挙太郎。待機児童の解消に一生懸命頑張ります。お母さんの仕事は24時間体制、休日もお休みもない中、子供たちの感性を育むお仕事、本当にお疲れ様です」というアドリブを交えます。
幸慶さん
「“待機児童解消”っていうのは、箇条書きの候補者のセリフ。『お母さんの仕事は…』っていうのは私の感性。候補者のパーソナリティをより良く伝えるには、ちょっと枝葉というか、アドリブをつけないと伝わらないですよね。“待機児童解消”という1行をどういうセリフ・アドリブで、よりわかりやすく伝えるかというのがウグイス嬢それぞれの力量になってくるんです」
かつてウグイス嬢を始めた時は原稿を読むのに必死だった幸慶さんがこのようなアドリブを交えてアナウンスできるようになったのは、ライフスタイルに変化があったからでした。
幸慶さん
「出産して、子育てする中で、初めて政治っていうのがこんなに身近なものだったかっていうのを知ったんですね。ウグイス嬢をさんざんやってきていたのに、文字では理解をしていたけれど、どういう制度があって、どんなふうに生活に関係があるのかっていうのは、やっぱり育児をし始めてからわかったことなんです」
子育てというライフスタイルの変化で、アナウンスするにもそれぞれの生活感を意識するようになったそうです。
また、政治が身近に感じるようになったからこそ女性議員が増えて欲しいということも願っています。
幸慶さん
「政治家の世界はただでさえ忖度の世界なんですね。そこで勝ち残っていって、女性の共通意識を広めるためには、女性の議員の数が最低でも4割ぐらいまでは増えなきゃいけないと思います、絶対に」

















